2017年9月29日金曜日

2017/9/23-24 上州武尊山スカイビュートレイル129k

3年前に出たことがあるレースなのだが、たまたまレース直後にケータイが壊れてしまって、レース中に撮影した写真は全てお釈迦になった上に、あまりにハードなレースだったので、記憶がごっそりと抜け落ちていて、どんなレースだったのかさっぱり思い出せないという、かなりハードなレース。

コースは、毎年ちょこちょこ変わっているらしく、3年前と比べるとだいぶ変化しているようだ。

今年は、距離が129km、
累積登坂高度が9,200m。
制限時間が35時間で、かなりハードだ。
人によっては、UTMFと同じくらいハードだという人もいる。

ここしばらくのトレイルの練習・レース不足と、ウェイト増加を考えると、以前完走したことがあるからと言って、完走が余裕だろうとは思えない。できるだけ抑えるようにして、何とか時間内の完走をしよう、という最低ラインを目標と定めた。


前泊現地入り

Fジイさんとともに、前日(金曜日)の午後に出発して、現地入り。
関越の沼田ICから近くの川場村役場が会場となっている。

前日受付を済ませて、老神温泉に投宿。
早めに寝た。

Fジイさんは、かなり走り込んでいるらしく、がっちり走ってタイムを狙うそうだ。前夜は酒も口にしない。


朝起きたら雨

普段の生活よりもかなり早い時間帯に就寝したが、それなりによく眠れた。
それでも何度か目を覚ましたが、かなり強い雨音。

天気予報によると、スタート時には止んでいるとのことだったので、心配はしない。


しかしーーー2時半に起きたらしとしと雨だった。


小雨の中をスタート

5時、川場村役場をスタート。

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バーサライト上を着ていたのだが、スタート15分前に雨が上がったので、脱いでバックパックにしまった。

しかし、スタート直前に再び降り出してきて、再び着込む。

幸いなことに、寒くはない。
風もない。

今回のレースは、寒さに苦しめられることはほとんどなかった。
暑くもなく、気温はちょうどいい感じ。
初日は雨が降ったり止んだり。
バーサライト上は、何度も脱いだり着たりした。


序盤、右脚大腿が不調、ペーサーに追いつかれる

どうも気分が乗らない。
数年前に肉離れをやって以来、ときどきおかしくなる、右脚の骨盤から大腿にかけてのあたりに違和感がある。
テーピングを3枚貼ってガッチリ固めてあるのだが、なんか調子悪い感じがして、早速、弱気の虫に取り付かれる。

14km地点のA1で、ペーサー集団にお会いする。
なんと、ラン仲間のOカノさんがいた。

エイドを出た後に、更にトイレ(大)で時間を取られていたら、早速追いつかれてしまった。

ということは、最後尾ということだ。
129kmもの長丁場なので、焦りはしないが、やはりイヤなものだ。

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斜度の激しい上り。


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一つのピークを越えて(剣ヶ峰?)、下りに入る。
一瞬だけ、パーッと雲が吹き飛んで晴れた。

武尊の山々は、もう紅葉が始まっている。

このシーン以外は、ほとんど眺望は効かなかった。


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雨の直後の上に、おそらく土壌が粘土質なのだろう、トレイルはねちょねちょに掘り返されまくっている。
ほとんど最後尾なので、速い選手よりも環境は悪い。

水たまりというよりも、泥沼のようになっていて、この頃は、まだルートを選んで、泥沼にはまらないように進む。
そのうち、泥沼を避けて進むのもエネルギーが要るし、危険だったりもするので、靴がドロドロに濡れるのも構わずに進むことになった。


35km地点くらいから、しばらく、折り返しで対面通行の区間がある。
ガチ走りのFジイさんとすれ違って、言葉を交わした。
まだ序盤なのに、13kmほども差をつけられている。


スキー場のゲレンデをいくつもいくつも登っては下る

斜度の高いスキー場のゲレンデをいくつも登っては下る。

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ここは、宝台樹スキー場。

上りはほとんど直登だ。
僕は正直、嫌いじゃない。
見晴らしがいいし、地面は整備されているために、石がゴロゴロしていることもないし、短い草が生えていて滑ることもないし、気持ち悪い泥の中をねちょねちょ進むよりは楽しい。

苦手な人が多いみたいだけど。

下りは、草の上を滑らないように走る。
これも気持ちいい。
時々、水はけのための溝が掘ってあるので、注意する必要はあるが、この点を除けば、それこそもうスキーを滑っているような気持ちよさ。


前半のピーク:武尊山

標高2,100mの武尊山が、このレースで最高地点となる。
一気に1,100upなので、きつい。
しかも、コースは前走の多くの選手にかき混ぜられて、ぐちゃぐちゃで、尚の事きつい。

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ぐちゃぐちゃのトレイル。


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やっとこ武尊山山頂へ。

せっかくだけど、ガスっていてさっぱり眺望は効かず。
それほど気温は低くないのが幸いだ。


制限時間との戦い

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延々とぬたぬたの泥が続くので、もはや、泥沼を避けて進むことを諦めて、泥にまみれるのに構わず、最短コースを進むことにする。

制限時間もそれほど余裕はない。
関門タイムに対して、1時間とか2時間しか余裕がなかった。

この写真を撮った後、更なる悲劇が!
構わず飛び込んだトレイル上の泥が思いの外深く、一気にずぶっとフクラハギまで沈み込んでしまう。脚を取られて、そのままベチャッと膝と手をつく羽目になった。

既に脚は泥まみれだから、今更だし、グローブはエイドなり沢なりで洗えばいいが、ちょっと気持ち的なダメージが大きい。


夜に突入

眠気に異常に弱い私だが、幸いなことに、前夜にしっかり眠れたおかげで、眠気はなかなかやってこなかった。


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ゲレンデを下ってくる選手たち。


エイドは、食べ物はあまり充実していないが、仮眠所が2ヶ所ある

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これ、どこのエイドの写真だったかな?
W2(第2ウォーターエイド)だったかな?

水だけのエイドも何ヶ所かある。

エイド食は、あまりたいしたものはない。
エイドごとに、運営を丸ごと、ランニングサークルの類におまかせしているらしく、雰囲気がまったく異なる。

クリームスープが美味しかったな。
お米好きとしては、おにぎりがもっとたくさんあると嬉しいんだけど。
アンパンとかクリームパンとかは苦手だな。

今回は、行動食として、スーパーで大量にどら焼き、まんじゅう、羊羹、ドーナツを買っていった。
おかげで、バックパックはパンパンで、かなり肩こりの原因にもなったけど。

ロングのレースでは、食べ物がモチベーションの大きな源だったりするので、ジェルだけで揃えて軽量化を図るよりも、食べ物はちゃんと持って行くスタイルの方が僕には向いているようだ。


A5で仮眠

75km地点のA5は、ドロップバッグが置けて、仮眠室もある。

ドロップバッグの中に、コンタクトレンズケースを入れておいたので、コンタクトを外して、がっつりと40分ほど仮眠した。
スマホもモバイルバッテリーで充電する。
ここまで来る間に、それ程激しい睡魔に襲われたわけではなかったのだが、ちょっと幻覚が見えたし、まだ先は長いので、ちゃんと眠ることにした。

眠いはずなのだが、神経が高ぶっていて、すぐには眠れない。
走ったり歩いている時は何ともないのに、横になると、脚が熱く、じんじんと痛んでくる。

午前2時にバイブのアラームをセットしていたのだが、2時になったら他の選手のアラームも一斉に鳴り出していた。

結局、たいして眠れたわけではないのだが、疲れはだいぶ取れた。
エイドを出たら、脚が軽かった。


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靴下と靴を換装する。

サロモンXT wingsから、ノースフェイス シングルトラックへ。
ほぼ新品だ。
どうせすぐに泥だらけになるのだから、一瞬もったいない気もするが、靴は消耗品だしね。

泥だらけの靴下を脱ぐのが面倒だなあ、脱いだら気持ちが切れてしまうのではないだろうか、とも思ったが、履き替えたらだいぶ気持ちがリフレッシュ出来たので、正解だった。


朝を迎える

2日目は、晴れた。
気温はそれほど高くならず。

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眠気はそれほどないが、何かだるい。脚が重い。
どんどん他の選手に抜かれていく。
結局、これは、眠気からきているんだよな。


93km地点のキャンプ上のバンガローに、2箇所目の仮眠室があり、ここでも40分ほど眠った。
ここでは、1箇所目の時と異なり、横になって泥だらけの汚い毛布を身体にかけるやいなや、一瞬のうちに眠りに落ちてしまった。

制限時間をかなり意識しなくてはならないペースだったので、それほどゆっくりは出来ない。

しかし、ここでしっかり横になって仮眠を取っておいて良かった。
ここで眠らなかったら、道端で横になったり、ふらふらして激しくペースを落とすことになっていただろう。


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指が写ってしまっているが、林業用の道路の上り。


最後の14kmほどを猛烈なスパート

再び、眠くはないが、脚が重い、という状態が続く。
ペースががくんとおちて、どんどん他の選手に抜かれていく。


ふと、残り12kmほどの地点で、頭の中で時間を計算してみたら、km当たり5分くらいで計算してギリギリだった。
これはヤバい!

一気に目が覚めて、猛烈にスパートする。
100km以上走って(歩いて)きた後の俺にこんなにまだ力が残っていたのか!と自分で自分にびっくりする。

他の選手を追い抜くたびに、「ファイト!まだ間に合いますよ!」と声を掛けて、自分も鼓舞する。

よくも2時間以上もあれだけの猛烈なペースで走り続けられたものだ。
我ながら、よく頑張ったと思う。


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34:24'でフィニッシュ。

ギリギリで完走出来てよかったよ。
同行のFジイさんは、8時間以上も前にフィニッシュしていて、待ちくたびれていた。


それにしても、肛門の周りが下着と擦れて痛くてたまらない。
経験上、80kmを越えると、染みるような痛みが出てくる。
今回は特に酷かった。
リンパ液がとめどなく流れ出ていて、パンツを通り抜けてズボンまで濡らすほどだった