2016年8月6日土曜日

2016/8/2-5 北アルプス縦走 上高地-涸沢-奥穂高岳-涸沢岳-北穂高岳-槍ヶ岳-東鎌尾根-大天井岳-常念岳-蝶ヶ岳-上高地

梅雨も明けたし、念願の北アルプスへ。

何気に、このエリアに登るのは初めて。上高地も初めて。

前日の午後にクルマで出て、沢渡駐車場へ。
中央道を走っている頃から雨が降り出し、車中泊するときにも雨が降っていた。やれやれ。
夜半、ちょっと目を覚ました時にはやんでいた。

今回の日程は、梅雨明けしたというのに天気予報の上では、全日、雨マークが何らかの形で付いていた。

2泊は、夕方から雨だった。
最終夜は、雨の予報に反して降られなかった。
昼夜ともにほとんど無風だったので、助かった。
午前中の行動時間帯は全日晴れた。

梅雨明け直後なので、どこのテン場も混んでいるかと思ったが、お盆前の平日ということもあり、それほどでもなかったな。どこのテン場でも空きがあったようだ。

トレランシューズで歩いてみた

今回は、初めて、トレッキングシューズではなく、トレランシューズで歩いた。
自分としては、半ば実験的な試みだ。
使い古しのノースフェイス ダブルトラック

結論としては、メリットとデメリットがあり、コースや天候によって使い分けるべきか、と。
トレランシューズは、
・ゴツゴツした岩場では、滑りやすい。
・ちょっとでも雨が降ったらすぐに濡れてしまう。
・意外と耐久性が低い。
・足底アーチのダメージが意外と蓄積する。
・岩場の登りでは、靴がねじれてしまって歩きにくい。

ということで、岩場が多いコースや雨が予想される日程だったらトレッキングシューズのほうが良さそうだ。

尚、今回履いた靴は、既に使い古しだったせいもあるけど、下山する頃にはアッパーの生地と縫い目がところどころほつれかけていたので、捨てた。


8月2日(1日目)

沢渡駐車場を、朝一番の05:10発のバスで上高地へ。
バスはガラガラだった。

早速歩き始める。


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徳沢キャンプ場。

開けた草原で、気持ちよさそうだ。
前夜は雨が降ったので、大変だっただろうと思うけど。


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横尾まではこんな感じのフラットダート。

梓川の流れが澄んでいてキレイだが、常に見えるわけでもない。
上流に向かって登っているのだが、標高差は100mちょいしかないので、ほとんどフラット。


横尾

さて、ここで、槍ヶ岳を目指すか、涸沢を目指すか、迷った。
実は、はっきりとは決めていなかった。

このエリアは、山小屋間の距離が意外と離れているので、プランニングに難儀して、最終的には現地で決めよう、と思っていた。


最初、槍ヶ岳方面を目指して歩き始めたのだが、じきに便意を感じて、横尾のトイレに引き返した。

既にパラパラと降り始めていたのだが、トイレから出たらさっと空が晴れ渡り、これなら、判断分岐ポイントが豊富にある、涸沢を目指して行ってみよう、と、進路を変更。


涸沢
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ごつごつした岩のテン場は、平らな場所を探すだけでも大変そうだ。
キャパ500張り。
ぼくのモンベルの黄色いステラリッジテントは、テン場でもよく見かけるポピュラーなテントだから、満員のここに張ったら、どれが自分のだか分からなくなってしまいそうだ。

この時点で、雨はまだ降らず。
時間的にも午前中だし、まだまだ行ける。
初日だからもっと進みたい気分だし。

ということで、穂高岳山荘まで登ってしまうことに決定。


穂高岳山荘
12:00到着。

テン場にテントを張った。

奥穂高岳ピストンしての帰路、予報通りに雨が降り始めた。

早々とテントに入って酒を飲み始めるが、やがて雨足が強くなり、なんと、テントの床が浸水し始めた。
慌てて外に出てみると、なんと、テントサイトの水はけが悪く、地面が水たまりだ!

ふてくされながら、テントサイトを移動した。
この時、面倒臭がって、荷物をテントの中に入れたまま、骨を持って強引に引っ張りあげたため、骨が少し曲がってしまった。

15時くらいには一日が終了。
酒を飲んで横になっていたら、早くもうとうとしてしまう。
遠くで雷が聞こえ、眠りが浅くて何度も目を覚ます。

なんかテントが傾いているな、と思っていたら、骨が1本ジョイント部で外れていたので、直した。


8月3日(2日目)

テン場の朝は早いが、僕は早起きが苦手なので、みんなの足音、テントを畳む音、コッフェルがカチャカチャ鳴る音を聞きながら、ゆっくりと4時半ころ起きる。

今回の行程を通じて、時間を決めていたわけではないのに、ほぼ毎日、4時半起き、6時前出発という判で押したようなスケジュールだった。


ちょっと頭が痛い。
食欲もまったくない。
高山病の症状だ。


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穂高岳山荘のテン場から、奥穂。

涸沢岳、北穂高岳と縦走していく。


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ほぼずっと曇っていたが、一瞬晴れた時にはるか遠くに槍ヶ岳が見えた。

この日の予定は、
・行ければ、槍ヶ岳山荘まで行きたい。
・天気の崩れ具合によっては、南岳小屋まで。
というもの。

天気予報によると、午後から雨は必至。
問題は、何時ころから雨が降り出すか、ということで、こまめに天気予報のページをケータイでチェックしながら進んだ。


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険しい尾根筋を進む。


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雷鳥がいた。
人を全然怖がらない。


南岳小屋に着く。
まだ10:40。
テン場にはテントは一つも張っていない。
天気も持ちそうだし、まだまだ進める。


槍ヶ岳山荘
13:00到着。

まだこの時刻になっても雨は降ってこない。

前夜にびしょ濡れになったグラウンドシート、テント、フライシート、エアマットを乾かした。
テン場は日当たりが良く、あんなにびしょ濡れだったのにすぐに乾く。湿度も低いんだろう。

この頃にも、まだ軽い頭痛はやまず。


テントを張って、ビールを飲み始めるが、手持ち無沙汰なので、槍ヶ岳ピストンした。
岩場に不慣れなツアー客が渋滞を作っていて、登り降りには時間がかかった。

山頂に登ってみても、ガスっていて眺望はきかないし、特にこれといった感慨も沸かない。


夜は、普通に雨。

何度も何度も目を覚ます。
そのたびに、地面からテントの床部に染み出してきた水をタオルでぬぐった。
夜半には雨は止んでいたのに、それでも床の浸水は止まらない。
おかしいなー?と思いつつ、朝確認したら、なんと!グラウンドシートの上に水たまりができていた。何だよ、これ!


8月4日(3日目)

朝にはきれいに晴れた。

この頃には、身体が高度に慣れてきたのか、高山病の症状は消えていた。


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テントの中から湯を沸かし、ドライ飯を食べる。


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グラウンドシートの上の水たまり。
これはたまらん。


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槍ヶ岳ー!

もう一度登ってもいいんだけど、この時点では、この日は蝶まで行くつもりだったので、先を急いだ。同じコースを2回も行くのはあまり好きではないし。

朝の時点で考えていた、この日の行程は、
・東鎌尾根、大天井岳、 常念岳を越えて、蝶ヶ岳ヒュッテへ。
・その手前の常念小屋へ。
の、どちらか。
蝶ヶ岳ヒュッテと常念小屋は、かなり距離がある。中間地点に山小屋があれば便利なんだけど。


東鎌尾根
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東鎌尾根を行く。

すぐ下に、殺生ヒュッテが見える。
あそこのテン場も気持ちよさそうだ。


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東鎌尾根。

何となくのどかなイメージを抱いていたけど、よく考えてみたら、「鎌」の刃の上を渡るかの如きルート、という意味なんだな。
ゴツゴツした岩場が続き、ストックを仕舞う。


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何度も槍を振り返る。

ボッカヘリが荷降ろし中。
この山域の山小屋は、規模が大きいので、だいたいヘリボッカをやっているようだ。


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階段、鎖場が続く。


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水俣乗越を過ぎると、コースがのんびりしたハイキングコースのようになる。
ストックを装備してさくさく進む。


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大天井を過ぎ(ピストンコースなので、ピークハントはしなかった)、常念岳へ。


常念小屋
12:50到着。

未だ時間は早いし、天気予報によると、雨が降り出すのは遅くなってからのようだ。しかし、次の山小屋である蝶ヶ岳ヒュッテまでの距離は長い。コースタイムで5時間15分もある。

どうも疲れも溜まっている気がして、ひよってここに泊まることした。

テン場では、高校生の団体がテント設営中だった。

結局、この夜は雨は降らず。
3泊目で、テン泊に身体が慣れてきたこともあって、あまり夜中に目を覚ますこともなく、快眠だった。


8月5日(最終日)

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気持よく、高校生の団体が出発する足音で目覚める。
頑張ってね。


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テントの中から湯を沸かしてドライ飯。

今回の山行は、2日目の朝まではコンビニおにぎり。
それ以降は、フル ドライ飯。
1食当たり350kcalくらい。
圧倒的に足りないし、そもそも動物性タンパク質がない。

どうも、いつになく疲れる感じがしたけど、食事がプアだったからかもしれない。
食事がしょぼいと、モチベーションも上がらないし。
もう少し、縦走中の食事を改良してみよう。あるいは、時々、山小屋で食べるとか。


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この時点では快晴。
槍がよく見える。
前日は、あそこから歩いてきたんだ。
あんなに歩いてきたのかー!とも思うし、1日掛けてこれだけしか移動してないのかー!とも思う。


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常念岳。

写真で見るとたいしたことないけど、間近で見ると、巨大で、けっこうキツそうに感じる。
大きな岩がゴロゴロしているスイッチバックコースを登る。

僕が出発する1時間半前に出発したはずの高校生の団体には、頂上の直下で追いついてしまった。

常念の頂上は狭く、渋滞していた。
僕は混んでいるのが大嫌いなので、周りを見渡すこともなく、一瞬で先へと進む。


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常念岳から蝶ヶ岳へは、幾つかのピークを越えていく。

標高が下がってきて、森林限界の線の下に突入。


蝶ヶ岳

10:30到着。
実に、常念小屋から4時間40分もかかったことになる。やはり、前日に常念で歩を止めておいてよかったよ。

蝶ヶ岳からは、調子が良ければ大滝山→徳本峠と大回りをしようと思っていた。最終日だから雨に降られても構わないし、多少遅くなっても構わない。しかし、どうも疲れていて、帰りの上高地発バスの最終時刻までに間に合うかどうか自信がない。

迷わず、長塀尾根を徳沢へと下りた。


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樹林帯の中を延々と下っていく。
さっぱり眺望はきかない。

ところどころ、ぬかるみがある。


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池。
水の出口がないので淀んでおり、水は汚い。


14:30上高地に到着。

いやー、お腹いっぱいだ。

テン泊縦走は、4日間くらいがちょうどいいかな。
4日間くらいで、肩や背中が痛くなってくる。(もっと荷物を減らそうと思えば減らせるけどね)

帰りに温泉に入って旅塵を落とし、ファミレスでチープなハンバーグや鶏肉の唐揚げや餃子をたっぷり食べて、中央道を帰宅。


今後の課題
・テン場で使うためのビーサンを持っていく。
・キャンプ飯の工夫をする。何か動物性蛋白質を加える。
・雨の日のグラウンドシートの上に溜まる水対策を考える。→そもそも張らないのが良さそう。



今回の忘れ物
毎回何か持っていくのを忘れる。今回は、ヒートテック上下。あまり寒くなかったので要らなかったけど。ダウンジャケットも、持って行ったものの一度も使わなかった。

小さな三段式折り畳み傘を持って行ったのだが、これはテン場で使うのにかなり重宝した。