シルトホルンからのトレイルは、情報が少なかった
シルトホルンまでゴンドラと登山鉄道を乗り継いで登り、一気に下ってこようという計画だ。シルトホルンは、標高2.970mあり、山頂までゴンドラで登ることができる。
山頂には、ユングフラウヨッホのような大きな展望台が建っており、多くの観光客は、普段着姿でゴンドラで登り、しばらく滞在して、そのままゴンドラで下ってくる。
シルトホルンからのトレイルについては、とにかく情報が少ない。
地球の歩き方には、ゴンドラと展望台は説明があるが、コースについては載っていない。
現地で配っている観光パンフレットにも書いていない。
有料でもいいので山地図を売っているかと思ったら、そのようなものもないようだ。
観光客がお手軽にハイキングするようなトレイルではない、ということだけが分かった。
山頂の標高は分かるが、どんなコースなのかは分からないし、コースタイムもさっぱり分からない。
かなり不安があったのだが、実際に走ってみたら、それほどたいしたコースでもなかったな。
レース2日後で、表面的な筋肉痛や関節の痛みはないが、身体の奥はまだ疲労が残っている感じだ。
ゴンドラ、登山鉄道、またゴンドラを2本乗り継いで、シルトホルンへ
ラウターブルンネンからは、3回乗り換えて上っていく。ラウターブルンネンの宿のオヤジ曰く、夕方は雷の可能性があるので、早めに登って帰ってくるのがいいだろう、と。
雷雨については、2日前のレースで痛い目をみたところなので、アドバイスに従うことにする。
1本目のゴンドラの始発は7時半だ。
宿の朝食は7時からなので、急いで朝食をかき込んで、ゴンドラの駅に向かった。
2本目の登山鉄道。
グリュッチアルプ駅にて。
ここからミューレン駅へ。
3本目のゴンドラ。
3本目(ミューレン→ビルグ)と4本目のゴンドラ(ビルグ→シルトホルン)は、ユングフラウ鉄道パスは使えないので、片道券を買った。37.6スイス・フラン(4,200円)。
まだ森林限界の下だ。
ビルグで乗り換えて、4本目のゴンドラ。
ゴンドラより。高原地帯の景色が広がる。
ここをこれから走るのかと思うと、静かに興奮してくる。
ゴンドラより。アルプスの山並みは、雪をかぶっている。
こちらは、完全に雪山の世界だ。
そして、シルトホルン山頂、展望台へ。
シルトホルンから一気に下山スタート
朝早いので、まだ風は冷たい。屋外展望台の日陰になっているところは、ブロックタイルの表面にうっすらと氷の膜が張っていて、つるつる滑る。
展望台より、下山ルートを望む。
観光客向けのハイキングコースではなく、ある程度ガチのトレッキングコースだ。
道標も、今ひとつよく分からない。
そもそも、地図が手に入らなかったし、どちら向きに走り始めればいいのか、よく分からない。
シルトホルン山頂付近は岩場、しばらくするとザレ場となる。
道迷いの心配はないが、こっち向きのコースで本当にあっているのかなあ?と不安になる。
ほとんど歩いている人もいないし。
コースを示すマーキングは、このような白-赤-白のものがそこかしこにあり、道迷いをする心配はないだろう。
道標があり、英語で書いてあるので読めるけど、そもそも地図を持っていないので、どちらがどちら方面なのかさっぱりわからない。
かろうじて、「Murren」の地名をみつけて、ああこっち方面でいいのかとほっとする。
雪渓を横切る。
先行者の足跡は一人分しかなく、不安になる。
ザレ場のトレイル。
あっ、動くものが・・・山ヤギだ。
キー、キーと鳴く。
時々、登山者とすれ違う。
Rotstockhütteという山小屋。
布団をパタパタと干しているのが見えた。
こじゃれたホテルではなく、まさに山小屋だ。
後で写真を見たら、日本の山小屋のような、細い蚕棚のような空間に寝るらしい。
だんだん標高が下がってくると、牧場地帯となってくる。
木柵は、牛が出ていくことを防ぐためのものだ。
雪をかぶったアルプスの山並み。
のんびりと牛が草を食む。
眼下に見えるのは、牧畜業の作業小屋だったようだ。
広い谷を挟んで向かい側の岩の上に建っているのは、3本目と4本目のゴンドラの乗り換え駅があったビルグだ。
牛が出ていくのを防ぐ木柵。
高山植物が咲き乱れる。
正面に見えるのがユングフラウ。
その左がアイガー。
案内表示板には日本語の説明書きもあった。
今は、日本人ツーリストよりも中国人や韓国人の姿の方が多いように思う。
ミューレンでビールを飲んでピザを食べ、ラウターブルンネンへ更に下る。
木々を塗って走るトレイルだ。
思ったよりも早く、13時にはラウターブルンネンに下山して宿に到着。
結局、この日は雷雨はやってこなかった。
もっとゆっくり走り回ってくればよかったよ。
15.6km